コロンビア人作家でノール賞受賞者でもある、ガルシア・マルケスの最高傑作『100年の孤独』がついに初めての映像化。
2024年12月からNetflixで配信が始まりました。
『100年の孤独』は今年に文庫本化され、話題になっていますが、正直分厚くて読みにくい人もいるはず。
映像を観れば、ガルシア・マルケスの世界観をもっと気軽に楽しめるはずなので、これを機にスペイン語圏の文化に触れたい方は必見です!
『100年の孤独』とは
1967年に出版されたガルシア・マルケスの小説。
瞬く間に世界中で話題となり、現実と空想が混在する「魔術的リアリズム」は、ラテンアメリカ文学ブームを作り出しました。
2024年に日本で文庫本化され、話題になっています。
今まで映像化されなかった訳
出版されてから50年以上経ちますが、実は今回が初の映像化。
実は生前、ガルシア・マルケス自身が、映像化に難色を示していたのです。
とあるインタビューで、「小説だと、読み手が想像して登場人物を顔を想像しながら読むことができるが、映画だと俳優の顔が浮かんでしまうだろう私は読み手がイマジネーションを持って楽しんでほしいんだ」と語り、映像化には消極的だったようです。
しかし一方で、「映像化するなら、映画よりもテレビドラマだろう。映画だと長いから」「映像化するなら、コロンビア人のキャストでスペイン語で制作されることが条件」とも話していました。
2014年にガルシア・マルケスが死去すると、2019年に、ガルシア・マルケスの子供たちが、映像化の権利をNetflixに譲渡したことが発表され、映像化に至りました。
ガルシア・マルケスの息子で映画監督のロドリゴ・マルケスは、「作品に対してリスペクトがあり過ぎる余り映像化できなかった」と語り、今回の映像化は「やってみる価値があると思うし、Netflixが1番良い制作会社だと思った」と話しています。
見どころ
制作費は50億円近く、ほとんどがコロンビア国内で撮影されたため、コロンビアへの経済効果は80億円とも言われています。
ガルシアの息子ロドリゴは「父が生きていたら、きっと観ていただろう」と語り、今回の映像化を評価していました。
作者が不可能と言ったマコンド村の再現
ガルシア・マルケスはかつて、物語の舞台であるマコンド村を実写化するのは「不可能」と語っていました。
美術チームは、セットはいくつかのバージョンで作られました。
その広さは、540,000平方メートルといわれ、東京ドーム約10個以上。
物語の舞台の時代の建築手法を学ぶための研究もおこなわれたほか、セット制作には地元の工芸職人なども携わり、ディテールまで忠実な再現がされています。
調べつくされたコロンビアの衣装
今回のシーズンだけでも34,000着近くの衣装が用意されました。
関わった工房は30以上あり、全て100%コロンビア国内で作られています。
衣装制作にあたり、1850年代のコロンビアを理解するために、服飾の専門学校・博物館の協力を得ながら、何年にもわたる調査を行いました。
時にはアメリカに渡って競売に参加し、当時の洋服手法を学ぶこともあったそう。
10,000人のキャストとアクセント
壮大な物語を描くため、10,000人以上のキャストが終結。ほぼ100%がコロンビア人です。
また、物語の舞台は、コロンビアでもカリブ海に近い北部海沿いだと言われています。
なのでキャストはスペイン語アクセントの習得にも力を入れ、アクセント用のスペシャルチームが組まれたほど。
この独特なアクセントについては、ネット上では様々な反応があり、コロンビアだけでなくラテンアメリカ諸国で大人気の小説のためか「私の頭の中ではメキシコ訛りのスペイン語だった」という声もSNS上で見られました。
キャスト
ガルシア・マルケスの希望通り、キャストはコロンビア人!
物語が壮大な分、登場人物が多く、また時代変遷とともにキャストも変わっています。
ホセ・アルカディオ・ブエンディア/Marco González
マコンド村の創設者。
ホセ・アルカディオ・ブエンディア(中年)/Diego Vásquez
ウルスラ役/Susana Morales
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの妻。
ウルスラ(中年)/Marleyda Soto
アウレリアノ・ブエンディア/Claudio Cataño
ホセ・アルアディオ/Édgar Vittorino
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラの子供。
ラテンアメリカあるあるですが、父と子の名前が同じなので、ややこしいですね。
ちなみに、ホセ・アルカディオを演じる俳優は、役作りのために1か月で7キロ増量したそうです。
Netflixを要チェック
『100年の孤独』は、2部作だと既に発表がされています。
次の2部の配信が待ち遠しいですが、近々アナウンスがあり次第お知らせします!
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