またまた心療内科に行ってきた。
心療内科のお医者さんに「12時頃にベッドに入ってる」と言ったら「もっと早く寝ようか」と言われた。
まぁそりゃそうだろうな。
それで家での過ごし方について聞かれて暇を持て余していると答えたら
こういう時だからこそ本を読むと良いよ
と言われて先生のオススメ本リストをくれて
佐藤正午の『月の満ち欠け』は至高の恋愛小説だから女性にオススメだから。そのうち感想聞かせてね
というプレッシャーをかけられて診察が終わった。
自分で言うのもアレですが私って真面目だわってつくづく思うのは、「正直小説好きじゃないんだよな~」「恋愛小説とか別に興味ないわ~」と思いつつすすめられたから読まないと、と思って病院終わったあと速攻で本屋行って買ってきた。
女性というだけで恋愛小説を勧めてくるなんて短絡的な発想だな。私がフェミニストだったらキレてるわ
※すぐこういうこと言うから心療内科いく羽目になる。
とか思いながら、「次の診察で感想を求められるかも…」と思って(このあたりの小物臭)急いで読んだら物凄い面白かったのでお勧めしたいです!
月の満ち欠け
文庫版もあるよ
直木賞とった作品です。
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる――目の前にいる,この七歳の娘が,いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ! 新たな代表作の誕生は,円熟の境に達した畢竟の書き下ろし.さまよえる魂の物語は戦慄と落涙,衝撃のラストへ.
感想※ネタバレ注意
こりゃあ 至高の恋愛小説だわ
「 寝る前に本を読むと良い」ってネットで書いてあったから10時ごろにベッドに入って読み始めたんだけど止まらなくなって2時頃までずっと読んだ末に寝落ちした。
私は早く寝ようと努力したんだよ!先生が「11時にはベッドに入ろうか」って言ったから早めの10時には床に入ったというのに!!
あの晩の夜更かしについて私に非はないし今度の診察で夜更かししていることを咎められたら「先生のせいです」と反論しようと思っている。
そのくらい普段本を読まない私でものめり込んで読めた一冊ですが、アマゾンのレビューは思いのほか良くなくて賛否両論という感じでした。
まあ有名作品であればあるほど「良い」という人と「そこまでじゃねえよ」という人と真っ二つになるものなのでしょう。
特にヒロイン正木瑠璃の死生観や考え方に共感できる部分がすごくあって、多分正木瑠璃はメンヘラだし同じメンヘラ同士分かり合えるものがあったんだと思う。これはアマゾンのレビューに書き込むような自分を知識人だと思い込んでいる奴らには分からない感情だろう。
内容を要約すると、人妻の正木瑠璃が大学生の三角哲彦と恋に落ち、彼女が事故で死んでもなお生まれ変わって三角に会いに行く、というお話。
だけど正木瑠璃の旦那のその後や生まれ変わって瑠璃の親となった小山内夫婦との関係などなど正木瑠璃と三角哲彦の2人の恋愛物語に対して色んな人の色んな目線からの感情が入り混じって切なくなる部分も多々あります。小山内樫(生まれ変わった瑠璃の父親で主人公)が「今まで育てた瑠璃は誰だったんだ…?」て考える部分とかね…。
また、前世の記憶を持つというちょっとスピリチュアルな題材なので「え?え?」と戸惑いつつ「ソコとソコがそう繋がる!?」とハッさせる気持ち良さがあってどんどん引き込まれて行って読み止まらなくなりました。
しかも最後の最後に生まれ変わってるのは本当に正木瑠璃だけなの?というどんでん返しがあって気持ちがいい!
正木瑠璃と三角哲彦だけの恋物語かと思いきや終盤から驚きの展開があって読み終わった後に爽快感というかスッキリした気持ちで読み終えることができる作品でした。
私は説明や読書感想文が苦手なのでとにかく読んでください。
私は良いと思ったものを人にすぐ勧めたがる癖があって、本の虫の知り合いに「面白いから!!」って言って無理矢理読ませたら「とまんねえな」と言って3時間くらいで読破していた。自分が勧めたものを人が褒めてくれるの嬉しい。
まとめ
これも良かったよ。帯に又吉が「幻想的な物語でありながら耳元で囁くような近さがあります」とか言っててまさにそれって思った。私の気持ち全てを代弁してくれている。
最後の終わり方が小粋というか最後の最後に「ウホッ!」ってテンションの上がったんですが、時代背景が100年前くらいの日本で普段本をあまり読まない私には言葉がいちいち難しかった…(私は辞書で調べながら読んだから疲れた)
なので読書家の人にもそうでない人にも『月の満ち欠け』がオススメです!
家守綺譚は気になった方や暇の極みになったら読んでみてください。
ちなみに次の診察で本の感想は聞かれなかったです。