映画『オットーという男』あらすじ・キャスト・ネタバレ・リメイク・評価・原作

ラテン系のドラマ・映画

2023-2024年の年越しは、ずっと見たかった映画・ドラマを一気に見ました。

なのでレビューしたい作品がたくさん!

まず初めに1番感動した『オットーという男』を紹介します。

アメリカ製作の作品で英語勉強がメインですが、ちょこっとスペイン語要素もあるのでスペイン語学習者にも是非観てほしいです。

あらすじ

そんなオットーも、人知れず孤独を抱えていました。最愛の妻を亡くし、仕事も失い、生きる気力を失くした彼が自ら命を絶とうと決めた時、向かいの家に賑やかな家族が引っ越してきます。

奥さんのマリソルは何かとオットーを頼り、ズケズケと生活に入り込んで来ます。迷惑がるオットーでしたが、その出会いは彼の心にある変化をもたらします。

ホロっと涙流れるハートフルストーリーです

ある日

原作

本で「幸せのつくりかた」というスウェーデン原作の本がベースになっています。

2015年にスウェーデンで映画化され、米アカデミー賞外国語映画賞ノミネートされました。

今回主演・プロデューサーを務めたトム・ハンクスが、この作品をいたく気に入り、リメイク権を獲得し、ハリウッド版として製作されました。

ちなみに、本作品ではアメリカが舞台のためラテン系ですが、原作ではイラン人です。

キャスト

オットー役/トム・ハンクス

日課は近隣パトロールと雪かき。

妻ソーニャに先立たれ、一人暮らしする気難しい男性。

言わずもがなのトム・ハンクス。

『ターミナル』『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』の印象が強すぎて50代くらいの中年男性だと思っていたら、もう70歳近いんですね。

若き日のオットー役/トルーマン・ハンクス

若き日のオットー役は、なんとトム・ハンクスの実の息子。

演技経験全くなく撮影の仕事をしていますが、出演のきっかけはトムハンクスの妻リタとマーク監督が話し合っていた時のマークの言葉。

「映画見てて、『主人公演じる俳優』と『若き日の主人公を演じる俳優』が似てなかったら興ざめする」

これを聞いたリタが、トム・ハンクスの3人の息子のうち、長男トルーマンに出演させることを決めたんだとか。

マリソル役

オットーの隣に越してきた夫婦の奥さん。

エル・サルバドルにルーツがある。

メキシコ出身の女優で、NETFLIX『ハウス・オブ・フラワーズ』のジェニーという怪しい宗教団体の女長を演じていました。

その印象が強烈すぎて、「あ、この女優さんって普通の役できるんだ…」ってびっくりした(当たり前か)

ネタバレ

オットーは、気難しい性格で日課は近隣パトロールと雪かき。

不愛想で近所との交流もほぼない状況。

ある日、オットーはホームセンターで紐を探していました。

家に帰ると、電話やガスの解約手続きをはじめ、一段落ついたところで、購入した紐で首つり自殺を試みます。

妻に先立たれ、職場の労働環境も変わり早期退職。全てを片付けて妻の後を追おうとしていたのです。

しかし首つりは失敗。ふと窓から見えた、近所に越してきた若夫婦があまりに運転が下手でお手伝いをしてしまいます。(きっとオットーは元来面倒見のいい人なんです)

その後、一酸化炭素中毒など自殺方法を変えて自殺を図る中、過去を思い返していました。

オットーは軍への入隊志望でしたが持病の心臓肥大症により叶わず、失意の中出会った女性ソーニャと恋に落ちて、オットーの大学卒業と同時に結婚しました。

ソーニャの後を追おうとするも、若夫婦の妻マリソルが、ことあるごとに「梯子を貸してほしい」「旦那が病院に運ばれたから病院に連れて行ってほしい」「車の運転を教えて」と自殺を邪魔します。

マリソルはエル・サルバドルをルーツに持つラテン系女性で、悪気は全く無し。暗くて取っつきにくいオットーの心にドカドカ入ってきます。

(ちなみに、マリソルは朗らかな性格でお馬鹿キャラに見えるかもしれませんが、ボゴタ大卒で修士号も持つ超優秀な女性です。)

マリソル家族との交流により少しずつ心に変化がありましたが、マリソルが善意から「ソーニャの遺品整理を手伝う」と申し出ると、オットーは大激怒。

今度こそ銃で自殺しようとしますが、ソーニャの教え子マルコムが訪れて泊めてくれとお願いに来ました。(ソーニャは先生だったらしい)

彼はマルコムという女性から男性に性転換した少年で、親に勘当されて路頭に迷っていたのです。

ソーニャの思い出を共有できる人物のお願いとあって、オットーは急遽自殺を中止し渋々中に入れます。

翌日、長いことご近所同士だったルーベン・アニータ夫婦が引っ越すことを知ります。

ルーベンは意思疎通が難しい要介護状態、アニータも病気が見つかったことが理由のようです。

若い頃ルーベンとは良い隣人でしたが、ルーベンの方が良い車に乗り始め、格差が浮き彫りになると、小さいプライドで少しずつ距離ができて疎遠になっていました。

オットーは、不動産会社が高齢夫婦を追い出すために策略したことに気づき、不正を暴くためにマリソルに電話を借りに行きました。(冒頭で電話解約したので持ってなかったんです)

マリソルから前日の行いを咎められると、自分の過去を打ち明けました。

ソーニャが妊娠6か月の頃に、ナイアガラの滝へ新婚旅行に行った帰りにバスが横転。オットーはトイレに行っていたため奇跡的に無事でしたが、ソーニャは流産し、その後は車いす生活を余儀なくされることに。

彼の近隣パトロールは、元々車いす生活のソーニャのためバリアフリーに対応しない不動産会社や行政と闘い、自治会長をしていたことがきっかけだったようです。

その後、ご近所みんな一丸となり、不動産会社を陥れることに成功すると、いつの間にかオットーは、町の嫌われ者から一躍ヒーローに。

しかしその直後、持病の心臓肥大症で倒れました。

奇跡的に一命は取り止め、この経験から心機一転、ソーニャの後を追う考えを絶ち、前向きに生きていくことを決めたのです。

マリソル一家とは、より一層親密な関係を築き、ファミリーカーに買い替え、子供たちに「おじいちゃん」と呼ばせるなど、親密な近所づきあいを交流しました。

3年過ぎた頃、マリソル達が、オットーが日課の雪かきをしていないことに気付き、急いでオットーの家へ。心臓肥大症により既に亡くなっていました。

(マリソルたち、オットーの家の鍵持ってたので中に入れたんです。どれだけ深い交流があったが分かって更にホロリ。)

ご近所さんを中心に葬儀が執り行われる中、マリソルへの遺書の内容が、明らかに。

子供たちの学費を賄うだけの貯金はあること、車は譲るがトミー(マリソルの夫)には運転させるな、など彼らしい内容がたしなめれていました。

ちなみに本作品ではオットーの過去が綺麗にまとまっていますが、原作では、オットーの実の父との関係など、オットーの気難しい性格の裏にある複雑な事情を深堀りしていて、より人間味ある内容になっています。

感想・解説

超オススメの映画です。

心温まるハートフルストーリー好きには絶対刺さるはず。

トム・ハンクスに外れなし

私、「トム・ハンクスの映画は絶対面白い」という、トムに絶対的な信頼を置いてまして。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ターミナル』『ハドソン川の奇跡』…好きな作品をあげると枚挙にいとまがないです。

今回もタイトル聞いたことある程度で前情報は全くなかったけど、トム・ハンクスだけを信じて観たのがまた良かった。

オットーと自分の親の将来を重ねたて心苦しくなったり、自分が老後こうなるんじゃないかと不安を煽られたり…。

12/31の年末にホロホロと涙が止まらなかったです。

ラテン人は図々しすぎ?

マリソルがやたらオットーをあてにして、彼の自殺を邪魔するんですよね。

図々しいと感じるけど、ネイティブに聞くと「ラテン人はこんなもん」らしく、誇張表現は全くないらしい。

オットーがマリソルに電話を貸してと頼みに行ったら「イヤ」と断った時は、「えーさんざんお世話になったんだから貸してあげなよ」と思ったけども(笑)

余談ですが、オットーがマリソルの子供からスペイン語を習うシーンがホッコリしました。

私が初めてホームステイした時に、4才の女の子が

Habla espanol?(スペイン語話せるの?)

Bueno, un poco(ちょ、ちょっと)

Te lo enseno(私が教えてあげる)

Eres una amiga de mama!(あなたはママの友達です)

soy una amiga de tu mama.(私はあなたのママの友達です)

ってやり取りしたのを思い出して、ニコニコしちゃいました(笑)

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